2022年8月15日 (月)
【バンコク時事】タイ商工会議所大学経済研究所は11日、7月の消費者信頼感指数が前月の41.6から42.4に上昇し、2カ月連続で前月を上回ったと発表した。楽観・悲観の分かれ目とされる100を大きく下回っている。6カ月後の指数は前月の48.3から49.3に改善した。
同研究所は指数上昇について、新型コロナウイルスの行動規制や入国規制の緩和で経済が回復しつつあることに加え、ガソリン価格が前月から低下したことが要因だと指摘した。ただ、燃料小売価格が高止まりしていることやインフレ加速、金利上昇への懸念が高まっているため、指数が依然として低い水準で推移している。
算出要素別では、経済情勢に関する指数が36.4(前月35.7)、雇用機会が39.8(39.2)、将来の所得が50.8(49.8)と、いずれも前月から上昇した。
【バンコク時事】タイ商工会議所大学経済研究所は11日、7月のビジネス信頼感指数が37.9ポイントと、前月の36.3ポイントから上昇し、2カ月連続で前月を上回ったと発表した。入国規制「タイランドパス」の撤廃やパブ、バー、カラオケ店、ナイトクラブなど娯楽施設の営業再開、ガソリン価格の低下、好調な輸出、一部主要農産品の価格上昇などが指数上昇の要因。
しかし、ウクライナ危機やエネルギー価格高騰に伴う生産コストの上昇、バーツ相場の変動などがマイナス要因となった。指数は楽観・悲観の分かれ目とされる50を下回っている。6カ月後の指数は前月の37.1ポイントから39.1ポイントに改善し、4カ月連続の上昇となった。
いずれの地域も指数が前月を上回り、全国最低だった南部は34.3ポイントから35.9ポイントに上がった。南部は観光客に依存するサービス業が多く、新型コロナ流行前に比べて旅行者が依然として少なく、指数が低い水準で推移している。指数が最も高かった東部は41.5ポイントで、前月の40.0ポイントから上昇した。
【ワシントン時事】米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは12日、中国の習近平国家主席が11月に東南アジアを訪問し、バイデン米大統領との対面会談を計画していると報じた。複数の関係者の話として伝えた。実現すれば、昨年1月のバイデン政権発足以降、米中首脳による初の対面会談となる。
11月には、インドネシアのバリ島で20カ国・地域首脳会議(G20サミット)、タイの首都バンコクでアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が開かれる。いずれかの会議に合わせ、米中首脳会談が行われる可能性があるという。
中国外務省は同紙に「議長国のインドネシアとタイを支持する」と述べた。
一方、米国家安全保障会議(NSC)のキャンベル・インド太平洋調整官は12日、「(首脳会談の)日程と場所の詳細は持ち合わせていない」と記者団に説明した。
米中関係をめぐっては、ペロシ米下院議長の訪台に中国側が猛反発。大規模な軍事演習を行い、米中両軍の対話準備や気候変動問題に関する協議の中断などの対抗措置を発表した。キャンベル氏は「対話再開を求める」と訴えている。
習氏は、秋の共産党大会で3期目入りを目指しており、外遊は党大会後に行われる見通し。米中首脳は7月に電話会談し、対話継続で一致。両首脳は対面会談の開催に向け調整を進めるよう事務方に指示していた。
【バンコク時事】ミャンマーでクーデターを起こし、権力を握った国軍に批判的な発言を続けるマレーシアのサイフディン外相が10日、訪問先のバンコクで記者団の取材に応じ、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国は国軍だけでなく、民主派とも関わるべきだと訴えた。また、ASEANのミャンマー担当特使の任期を限定せず、正常化の実現に向け、時間をかけて取り組むべきだとの認識を示した。
サイフディン氏は、民主派が国軍に対抗して立ち上げた「国民統一政府」の外相を務めるジンマーアウン氏と会談するなど、民主派と深く関わっている。外相は「ASEANは軍事政権としかやりとりしていない。国民はASEANに関心を持たれていないと話している」と指摘。
「ASEANは国民を支援すべきだ。だからこそ、国民の代表である国民統一政府への関与が重要だ」と力説した。
ミャンマーの各勢力を仲介するASEAN特使は、ASEAN議長に任命される形になっており、昨年はブルネイのエルワン第2外相、今年はカンボジアのプラク・ソコン外相と議長国の外相が務めている。
サイフディン氏は、エルワン氏もプラク・ソコン氏も「最善を尽くして任務を遂行した」と評価しながらも、簡単に扱える問題ではないと強調。「特使は外相である必要はない。外相でなければ任務に集中できる」と語り、同一人物が長期にわたって務めるのが望ましいとの見解を表明した。エルワン氏は特使としてミャンマーを訪問できず、プラク・ソコン氏はこれまで2回訪れたものの、国軍が拘束しているアウンサンスーチー氏ら民主派要人とは面会できていない。
一方、サイフディン氏は、ASEANだけで問題を解決できない場合、域外国の協力を仰ぐべきだという意見が出ていることを明らかにした。具体的な域外国の国名は示さず、ASEANの対話国・地域とだけ語った。現在の対話国・地域は日米中ロなど11カ国・地域。
【バンコク時事】スリランカから国外逃亡したラジャパクサ前大統領が11日夜、タイのバンコクにチャーター機で到着した。ラジャパクサ氏は経済危機に伴う抗議デモの激化を受け、7月13日にスリランカを脱出し、シンガポールに滞在していた。
タイ政府は「政治亡命は求めていない。次の渡航先に向かうまでの一時的な滞在だ」と説明している。ラジャパクサ氏は外交旅券を所持しており、タイにビザなしで最大90日間滞在できるという。