2022年7月1日 (金)
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は30日、タイに拠点を置く傘下のアユタヤ銀行を通じて、野村ホールディングス(HD)の同国証券子会社を買収すると発表した。同日付で野村HDが保有する約99%の株式売買契約を締結。株主総会や関係当局の承認を得て、2022年中をめどに残りの株式も取得する方針。買収額は55億バーツ(約212億円)の見通し。
買収対象の「キャピタル・ノムラ・セキュリティーズ」は、インターネットを通じた個人向けの投資信託販売などで実績がある。アユタヤ銀は、タイで個人・法人向けに証券事業を展開しており、買収を通じて銀行と証券分野の一段の連携を通じたリテール(個人向け)事業の強化・拡大を目指す。
【バンコク時事】KDDIのタイ現地法人KDDIタイランドとソフトウエア開発のエム・ソフト(東京都台東区)は30日、水産庁の水産物輸出拡大連携推進事業の一環として、日本からタイへの鮮魚コールドチェーン(低温物流網)の実証実験をバンコクで実施した。
実証実験では、富山市と熊本県天草市から出荷する鮮魚(白エビ、ホタルイカ、ブリ、タイなど)を、バンコクの飲食店に到着するまで高機能の特殊保冷箱に入れ、電子タグと監視ソフトを利用して温度の監視を行う。東南アジア向けに出荷する日本の鮮魚をITで管理し、品質を保つことで付加価値向上を図り、新しいコールドチェーンの実現を目指す。
両社は今後、ベトナムなど東南アジア各国へも技術展開し、消費者の体験価値を高めたいとしている。
将来的には温度だけでなく傾きなどの情報も監視できるようにし、医薬品や精密機械などさまざまな用途での利用が想定されるという。
【バンコク時事】タイ中央銀行のチャヤワディー上級ディレクターらは30日の記者会見で、タイ経済は5月に改善傾向が示された後、消費と輸出の増加や新型コロナウイルス関連規制の緩和を受けた観光業の活発化が支えとなり、6月に一段と回復したとの見方を示した。ロイター通信が伝えた。
同氏は注視すべきタイ経済のリスク要因として、コストや物価の上昇、製造業の部品不足、観光業の回復ペースを挙げた。
インフレについてはチャヤワディー氏は、高止まりが続いているものの、第3四半期に下がり始めるとの見通しを示した。同じく上級ディレクターのサカポップ氏は、同期中に総合インフレ率が8%に到達する可能性があると指摘。
5月の総合インフレ率は約14年ぶり水準の7.1%に上昇し、中銀目標の1〜3%を大幅に上回った。
サカポップ氏は最近のバーツ安について、他の地域通貨の動きに沿ったものであり、タイからの資金流出は起きていないと強調。景気が強くなり、外国人観光客が増加すれば相場は回復すると予想した。
【バンコク時事】タイ商務省企業振興局の集計によると、政府がハイテク産業を誘致する東部経済回廊(EEC)の3県(チャチュンサオ、チョンブリ、ラヨン)における1〜5月の新規企業登録数は、前年同期比17.67%増の3383社だった。登録資本金総額は35.88%増の102億1700万バーツ(約395億9200万円)。登録件数の上位3業種は建設352社、不動産289社、不動産仲介227社だった。
5月末時点で事業活動を行っていた企業数は7万9150社で、資本金総額は1兆5396億8497万バーツだった。県別ではチョンブリが5万7188社(資本金総額7079億8972万バーツ)、ラヨンが1万5332社(6427億0431万バーツ)、チャチュンサオが6630社(1889億9094万バーツ)。
業種別内訳ではサービスが全体の60.53%、小売り・卸売りが24.67%、製造業が14.80%となった。
事業活動を行っていた企業の外資比率は54.56%。このうち日系資本が最も多く全体の46.28%を占め、次いで中国12.82%、シンガポール5.58%、香港4.34%、台湾3.16%だった。