2022年5月27日 (金)
【香港時事】香港政府統計局が26日発表した貿易統計によると、4月の輸出は前年同月比1.1%増の3890億香港ドル(約6兆2800億円)、輸入は同2.1%増の4256億ドルだった。輸出から輸入を差し引いた貿易収支は366億ドルの赤字だった。
1〜4月の輸出は前年同期比2.8%増、輸入は2.7%増で、貿易収支は995億ドルの赤字。
4月の輸出を相手国・地域別にみると、アジア向けは前年同月比2.0%減。中国本土(9.4%減)とフィリピン(7.3%減)は減少したが、インドは79.4%増、マレーシアは33.0%増、ベトナムは30.3%増、台湾は27.5%増だった。アジア以外の主要輸出先では、米国(31.3%増)、ドイツ(25.3%増)の伸びが大きかった。
輸入は、米国が26.4%増、シンガポールは15.9%増、台湾は14.5%増、ベトナムは12.1%増。一方、日本は8.0%、中国本土は5.3%それぞれ減少した。
政府報道官は「新型コロナウイルスの影響による輸送網の混乱は4月下旬にはわずかに解消に向かったが、引き続き輸出への下押し圧力となった」と指摘。ウクライナ情勢やコロナ禍は、短期的には香港の輸出実績に影響を与え続けるとみている。
香港のテレビ放送大手・電視広播(TVB)の許涛会長は25日に開かれた株主総会で、傘下の電子商取引(EC)事業への投資を拡大する方針を明らかにした。中国本土への市場参入を計画しており、通販サイト「士多(Ztore)」などの運営強化を図るという。
26日付の香港紙・信報(A4面)によると、許氏は昨年、士多を傘下に収めたことで「シナジー効果を得られた」と説明。士多の商品取引総額(GMV)は、買収前の4倍になったという。TVBは別のECブランド「隣住買」を1〜2カ月内に立ち上げる予定で、自社の取り扱い商品以外に外部との連携も強化する。
TVBは本土事業に関して、インターネットを通じた動画配信「オーバー・ザ・トップ(OTT)」の月間アクティブユーザー数が700万人を超えたと明らかにした。
今後も、本土の優酷や愛奇芸といった動画サイトと協業を進める方針だ。本土のソーシャルメディア上でのTBVアカウントのフォロワー数は8000万人超で、企業対消費者間取引(B2C)事業のユーザーベースになっているという。(香港時事)
26日付の香港紙、信報(A4面)によると、財経事務・出納局長の許正宇氏は、4月の香港証券取引所への新規上場申請件数が22件だったと明らかにした。4月末時点では計168件の上場申請を処理しているという。許局長は「申請ペースはまだ鈍化していない」と強調した。
香港立法会(議会)の質問に対する書面回答で、許局長は地政学リスクの高まり、新型コロナウイルス流行の再燃、物価上昇、世界の主要中央銀行による利上げなどマクロ要因の影響で、ここ数カ月、世界の主要金融市場は不安定でIPO調達額に影響を与えたと指摘。1〜3月期の世界IPO総額は5割以上減少したと説明した。
また許局長は、短期的な市況がどうであれ、政府、香港証券先物委員会(SFC)、香港証取は融資プラットフォームの競争力の強化を継続していくとした。(香港時事)
香港紙、星島日報(電子版)が26日伝えたところによると、香港航空最大手キャセイパシフィック航空は25日の社内文書で、26日から、乗務員が香港に戻ってから7日間の行動記録を提出することを義務付けると通知した。
乗務員は会社支給のスマートフォンにアプリをダウンロードし、政府の行動記録アプリ「安心出行」の範囲外の行動についても記録を提出しなければならない。情報に漏れがあった場合は厳重処分となり、解雇される場合もあるという。
同紙の問い合わせに対して、キャセイは「個人情報保護条例に従って政府に要求されている情報のみを収集する」とコメントした。
現行の航空機乗務員の検疫規則では、3日間のホテル隔離が必要だが、PCR検査(核酸検査)で陰性なら自由に行動できる。
ただ、到着後の14日間は医学観察期間で、複数回のPCR検査に加えて、毎日のスピード抗原検査のほか、マスクを外した公共での活動、人の多い場所などは避けなければならない。(香港時事)