2022年5月27日 (金)
【クアラルンプール時事】マレーシア統計局は26日、2022年第2四半期の事業傾向調査の結果を発表した。業績見通しについて、「改善する」の回答割合から「悪化する」の割合を引いて算出した予想指数はプラス3.5だった。2四半期連続でプラスを維持したが、前期のプラス7.6から悪化した。
統計局の主任統計学者モハマド・ウジル・マヒディン氏は声明で、「国境再開で経済活動の促進が期待されているものの、インフレ圧力やサプライチェーン(供給網)、労働力不足の問題を背景に、企業は業績見通しに依然として慎重だ」と指摘した。
業績予想指数を部門別に見ると、卸売り・小売りがプラス15.5、サービスがプラス5.6、工業がプラス0.8と楽観的だったのに対し、建設はマイナス23.2と悲観的な傾向が続いた。
総売上高の予想指数は、全体でプラス26.2(前期はプラス5.8)、従業員数の予想指数はプラス10.8(同プラス7.2)だった。
22年4〜9月の6カ月間の業績見通しについて、「改善する」の回答割合から「悪化する」の割合を引いて算出した指数はプラス25.0。部門別では卸売り・小売りがプラス50.0、サービスがプラス23.6、工業がプラス22.1、建設がマイナス25.0となった。
【クアラルンプール時事】フィッチ・ソリューションズは、マレーシアの2022年の自動車販売予想を従来の12%増から7.9%増に下方修正した。販売台数も54万9227台とコロナ流行前の19年台数に達しないとの見通しを示した。地元紙ニュー・ストレーツ・タイムズ(電子版)が伝えた。
同社は、下方修正の要因として、半導体を含むサプライチェーン(供給網)の制約が続いていることで、販売回復に遅れがでることなどを挙げた。特に自動車販売時の自動車販売サービス税(SST)について(1)6月に免除満期を迎える(2)免除が終了すれば自動車価格が上昇し一部で需要が後退する−として下降リスクを指摘した。
マレーシア自動車協会(MAA)のデータによると、22年1〜4月の販売は、前年同期比8%増となった。ただ、4月はマイナス3.6%と失速している。
フィッチは「イスラム教のラマダン(断食月)明け大祭明けはディーラーは販売促進策や来店者を増やすための広告を打つので、通常、自動車販売には追い風の期間であるにもかかわらず、4月は失速した」との見方を示した。
また新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)のため中国が実施しているロックダウン(都市封鎖)や、これに関連した半導体を含むさまざまな部品のサプライチェーンの混乱が、マレーシアの自動車メーカーに試練となっていると分析した。ただ「マレーシア経済がパンデミックから回復途上にあり、上振れリスクも存在する」と付け加えた。
地元経済ニュースサイトのエッジ・マーケッツ・ドットコムによると、マレーシアではニワトリの供給不足から一部の業者が、政府が2月から鶏肉に設定している上限販売価格(キロ当たり8.90リンギ)を上回る値段で売っていることが分かった。ただ市場では6.99リンギで売られるケースもみられるという。
国営ベルナマ通信の調査では、大半の業者は政府上限価格で販売をしているという。
国内取引・消費者省が関係するデータでは、24日現在、「スタンダード」はキロ当たり6.99〜9.50リンギで、一方首都クアラルンプールでは「スーパー」は7.90〜10.90リンギが付けられている。
北部ケランタン州では、ある業者は過去3日間、供給不足で1羽あたり2リンギ値上げせざるを得なかったと語った。
「過去には、1日に50羽を1羽当たり約10〜11リンギで入手したが、いまや20羽に過ぎず12リンギに上がった」とした。
北西部のペラ州では、商店などの標準相場調査によると、24日時点でキロ当たり9.30リンギと、普段の8.30リンギから上昇した。トレーダーは、原因は品薄だと説明した。
西岸のセランゴール州では、キロ当たり8.90〜10.50リンギで売られていた。
パハン州とマラッカ州では、固定価格で売られているものの、複数の業者は鶏肉をさばく際にキロ当たり60センから1リンギの手数料を要求しているケースがある。
一方、ジョホール州や、ネグリセンビラン州、ケダ州などではスーパーなどでは、政府価格で入手することが可能だ。
サバ州では、ニワトリはキロ当たり11リンギの管理された価格で売られているが、部位によっては11〜14リンギとなっている。(時事)
【クアラルンプール時事】マレーシアのザフルル財務相は25日、スイス・ダボスで開催されている世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)のパネル会合に参加し、マレーシアは新型コロナウイルス危機によってもたらされた短期的な経済問題に対処するだけでなく、「機敏、責任、改革という三つの原則に基づき長期的課題に対処している」と説明した。国営ベルナマ通信が伝えた。
同相は、マレーシアはロックダウン(封鎖)による産業への打撃を緩和するための景気刺激策を打ち出すのと並行して、長期的な改革にも取り組んでいると説明。その一例として、インターネットなどを通じて仕事を請け負う就労形態「ギグエコノミー」を取り上げ、「日々増加するギグ就労者は年金や社会保障に貢献していないため、社会的な保護を受けられないでいる」とその問題点を指摘し、政府がギグ就労者向けに社会的保護の範囲を拡大させるなどの政策対応を進めていると紹介した。
同相はまた、雇用や生活費のような長期的な枠組みに影響する問題への対応に際し、「多くの国の政治家や政策決定者は、しばしば長期的取り組みを犠牲にして短期的な成果に焦点を合わせていると批判される。彼らは在任中に目に見えた利益をもたらそうとする傾向にある」と指摘。短期主義は政策の継続性の観点から不透明さをもたらすとして、「マレーシア政府は長期的視点から機敏、責任、改革に焦点を合わせた対応をしている」と説明した。
【カジャン時事】日野自動車のマレーシア子会社、日野モータース・セールス・マレーシアは26日、スランゴール州カジャンに同国で3カ所目となるサービスセンター「HASO(Hino Approved Service Outlet)」を開設した。同日、現地で開設式を行った。
3カ所目となるHASOは、地元バス保守サービス会社テラス・マジュ・サービス(TMS)と共同開設。敷地面積は1万3200平方メートルで、一度にバス車両14台にメンテナンスなどを提供できる。
日野モータース・セールス・マレーシアは、昨年から全営業エリアでアフターサービスを提供する拠点としてHASOを展開。
内山厚志社長は開設式で、新たに開設したセンターのほか、現在スランゴール州ポートクラン近郊のプラウ・インダとパハン州バンダー・ムアザム・シャーの2カ所でHASOが稼働していると説明。また「他州でも開設準備を進めている」と話した。
◇今年の販売目標6千台
内山社長は開設式で、今年のバス・トラックの販売目標を6000台に定めたと明らかにした。このうちバスについては新型コロナウイルス流行前水準へと回復に向かい、販売台数は100台になるとの見通しを示した。一方、トラックの需要についてはコロナ流行前より高まっているという。
内山社長は「バス業界はこの2年、(新型コロナ対策で)人々の移動が完全に抑制されたため多大な影響を受けた。
現在は国境が再開されたことで移動が活発化している。年末から来年にかけては国外からの観光客も増え、高速バスや観光バスなども運行を(本格的に)再開させるようになるだろう」と期待を示した。