シンガポール版

2022年9月26日 (月)

8月消費者物価、7.5%上昇に加速=14年ぶり高水準

 【シンガポール時事】シンガポール通貨庁(MAS、中央銀行)と貿易産業省(MTI)が23日発表した8月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で7.5%上昇した。前月(7.0%上昇)からさらに加速し、2008年6月(7.5%)以来14年2カ月ぶりの高い伸びを記録した。MASと貿易産業省は「コアインフレ上昇のほか、個人輸送費の上昇が伸びにつながった」と解説した。

 MASコアインフレは前月の4.8%から5.1%に弾みがついた。08年11月(5.5%)以来、13年9カ月ぶりの高水準となった。19カ月連続のプラスで、MASと貿易産業省は「サービス費と食料費の伸びがけん引した」と説明した。

 CPIの内訳を見ると、交通費に含まれる個人輸送費はガソリン代がさらに高騰したことが響き、24.1%上昇(前月22.2%上昇)となった。サービス費は休暇関連の支出拡大により3.8%上昇(3.5%上昇)した。食料費は6.4%上昇(6.1%上昇)。食料サービスと非加工食品の伸びがいずれも加速した。住居費は賃貸相場の急騰を背景に4.7%上昇(4.6%上昇)となった。光熱費に含まれる電気・ガス費は23.9%上昇(24.0%上昇)だった。

 先行きについては、「コアインフレは向こう数カ月上昇が続く」と予測。自動車関連や住居費の上昇は年内続く可能性が高いとの見方も示した。22年通年では、MASコアインフレが平均で3.0〜4.0%、CPIが5.0〜6.0%上昇するとの従来予想を維持した。

 MASは、急激な物価上昇が景気にも悪影響を及ぼすことを懸念し、7月に金融引き締めを追加実施した。昨年10月以降、4回連続での引き締めとなった。金融政策見直しは通常、例年4月と10月の年2回行われる。今年は1月と7月にも臨時で実施した。

 ◇8月の消費者物価指数

比重(%)前年同月比前月比
全体100.07.50.9
食料21.16.40.6
衣料・履物2.18.71.8
住居費・光熱費・水道代24.86.01.9
(うち住居費)22.04.72.2
家庭耐久財・サービス4.92.20.6
医療6.62.70.1
交通17.120.20.8
(うち個人輸送費)12.224.11.1
通信4.1▲ 1.10.5
娯楽・文化7.95.91.5
教育6.62.20.1
日用品・サービス4.80.2▲ 0.1
全体マイナス帰属家賃82.58.01.0
全体マイナス住居費78.08.20.6
MASコアインフレ65.85.10.5
(注)

・家庭耐久財・サービスは家具・家電、メイド代、ハウスクリーニング代など

・個人道路交通費は主にマイカーの購入、修理、燃料費。 自動車購入費に含まれる自動車所有権証明書(COE)価格は変動が大きい

・日用品・サービスにおけるサービスは理容・美容代など

・帰属家賃とは持ち家の家賃相当コスト

・MASコアインフレは住居費と個人道路交通費を除いたもの。通貨庁(MAS、中銀)が金融政策で重視

世界金融センター指数、シンガポール3位=香港抜きアジア首位―東京は16位に後退

 【シンガポール時事】英シンクタンクZ/Yenグループと中国総合開発研究院(CDI)が発表した9月版の「世界金融センター指数(GFCI)」によると、シンガポールは3位と、前回3月版の6位から順位を上げた。香港を抜いてアジア首位となった。

 1位、2位は前回から変わらずニューヨーク、ロンドン。香港は前回の3位から4位に後退した。東京は16位と、前回の9位から大きく順位を下げた。報告書は「香港や東京などの都市は渡航制限が維持されていることで通常の水準のビジネスを遂行する能力に影響が出た」と指摘した。

 GFCIは世界119都市について、金融サービス業界に従事する個人へのアンケート調査や統計データを基に点数を付与し、ランキング化した。

◇世界金融センター指数番付(2022年9月版)

順位都市前回(3月)順位
1ニューヨーク1
2ロンドン2
3シンガポール6
4香港3
5サンフランシスコ7
6上海4
7ロサンゼルス5
8北京8
9深セン 10
10パリ11
16東京9

シンガポールの事業運営コスト上昇率、香港上回る=業績圧迫の恐れ

 【シンガポール時事】シンガポールの物価上昇ペースが香港を上回っている。中国政府が統制を強める香港から撤退したい企業にとってシンガポールは魅力的な移転先だが、事業運営コスト上昇が業績に悪影響を及ぼす恐れがありそうだ。ブルームバーグ通信が23日伝えた。

 シンガポールではインフレ率が過去14年間で最高水準まで上昇。人件費、オフィス賃料、光熱費は香港より速いペースで上昇している。一方、香港は新型コロナウイルス規制や政治的な不透明さが経済に影を落としている。香港では、高額で有名な中心地のオフィス賃料は2021年12月から22年6月に4%低下した。

 シンガポールでの新規事業の設立件数は8月、物価上昇にかかわらず17カ月ぶりの高水準となった。 香港では新規事業の設立件数は21年のペースと安定しているが、ピークを迎えた17年からは減少している。

 ブルームバーグ通信は、民間企業の昇給目安となる可能性のある公務員の昇給率が、両地域の顕著な違いを示していると分析。暫定値で、シンガポールの公務員の昇給率は22年、5〜14%が期待できるのに対し、香港は2.5%にとどまっている。

 メイバンク投資銀行グループのエコノミスト、チュア・ハク・ビン氏はブルームバーグ通信に対し、シンガポールのインフレ率の上昇はまだ大きな足かせにはなっていないと説明。香港からシンガポールへ移転を検討している企業にとって重要な問題は、この傾向がいつまで続くかだと指摘した。

《トップニュース》

《産業》

  • 東レ、シンガポールに電子部品材料の研究開発拠点=ASEAN地域向け
  • DBS、暗号資産取引を一部富裕顧客に拡大=既存アプリからアクセス
  • デジタル・コアREIT、データセンター2カ所取得へ=7億米ドルで
  • バイオ新興イムノスケープ、1400万米ドル追加調達=がん治療研究で

《経済》

  • 10月の金融引き締め、小幅か=MASが定例の政策見直しで
  • 米利上げで国内金利上昇=通貨庁は容認姿勢か
  • 〔アジア外為〕総じて下落=ドルの上昇受け(23日)
  • 〔東南アジア株式〕軒並み下落(23日)
  • シンガポール週間予定(9月26日〜10月2日)

《政治》

  • リー首相、多国間システム強化呼び掛け=小国フォーラム
  • 年金の保証利率4%を来年末まで維持=政府、自主的な積み増し支援
  • 英外相、安倍氏国葬参列へ=韓国、シンガポールも歴訪

《社会》

  • コロナ免疫の迅速検査、血液1滴から10分で=SMARTとNTU
  • シングテルの豪子会社、サイバー攻撃で情報流出か
  • コロナ新規感染2342人=4日連続で2000人台

《各地のシンガポール関連ニュース》

  • タイ航空、10月30日から成田線1日2往復=シンガポール便は1日3往復に増便
  • タイの外国人へのコンドミニアム所有権移転、全体の9%=過去4年半で約4.7万戸
  • タイ・プーケット経済、観光依存の脱却目指す=食や国際学校、医療、マグロ輸出など
  • タイの今年の外国人客526万人=シンガポール人は空路28.5万人

《コラム・リポート》

  • 【食彩ASIA】タイ伝統のあめ細工
  • 【アジア進出インタビュー】〔タイ〕「10年後、牛カツを日本食の代表に」ゴリップ・洪大記副社長

《マレーシア》

  • 8月のCPI、前年比4.7%上昇=食品が7.2%の伸び―統計局
  • 中銀総裁「リンギの値動きは市場で決まる」=金融市場を注意深く監視
  • 遺伝子研究MGRC、タイで顧客基盤拡大へ=細胞治療アクエストなど3社と提携
  • 買い物代行ハッピーフレッシュ、マレーシアから撤退=インドネシアの事業に専念
  • マレーシア航空、米航空部品スピリットと覚書=ボーイング機のMROサービスで

《インドネシア》

  • 台湾鴻海と合弁会社を設立=インディカ、EV参入の準備着々
  • スマホ販売、4〜6月前年比10%減=中国4社シェア66%―米IDC調査
  • ガルーダ、運航機数の拡大計画=メルボルン線10月再開へ
  • 印系エクソテル、首都で支社開業=クラウド型電話サービス提供

《タイ》

  • 非常事態宣言、2年半ぶり解除=コロナ感染者の入国禁止措置も廃止
  • 配車グラブ、「グラブマート」提携先で伝統的小売店を拡充
  • 商務省、外資制限業種で381社の事業認可=1〜8月、投資額833億バーツ
  • 元ミス・ミャンマーの入国拒否=強制送還なら拘束の恐れ

《ベトナム》

  • ビングループのバッテリー工場計画承認=投資額6.3兆ドン超―中部ハティン省
  • 飲食業界、電子決済サービスと提携=顧客利便の向上図る
  • ガソリン減税で2案=国会決議に向けて検討―財務省
  • ホーチミン市で日本食品展示会=日越企業のオンライン商談会も調整―ジェトロ
  • コーヒーチェーン「チュングエン」、中国・上海に海外1号店

《ミャンマー・カンボジア・ラオス》

  • ASEAN、来月特別外相会議=ミャンマー情勢協議
  • 小型船沈没、中国人23人不明=カンボジア

《インド・その他アジア》

  • 関係修復に意欲=南シナ海協議、NYで初会談―米比首脳
  • 日本、スリランカの債務再編協議を支援へ=水越大使

《中国・香港・台湾》

  • 米国務長官、中国との対話維持模索=外相会談、王氏は台湾めぐり批判
  • 元公安次官も猶予付き死刑判決=党大会前に相次ぐ有罪―中国

《韓国・北朝鮮》

  • ソウルで日韓交流おまつり=3年ぶりに観客、「また旅行したい」

《オセアニア》

  • 太平洋島しょ国へ支援強化=中国念頭、初の外相会合―日米英豪など
  • 処理水放出で日本批判=国連総会で演説―ミクロネシア
  • 「化石燃料拡散防止条約」制定を=国連総会で気候対策訴え―バヌアツ

《Japan/World Today》

  • 弔問外交、きょうスタート=30カ国超、初日は米副大統領ら―岸田首相
  • 英新政権に市場の洗礼=大幅減税案で「トリプル安」

《マーケット情報》

  • 東京市場(23日)休場
  • アジア主要市場の株価指数(23日、カッコ内は前営業日比)
  • 〔ロンドン海運市況〕バルチック・ドライは+96の1816で終了(23日)

《新聞各紙から》

  • 東京各紙朝刊(26日)