ベトナム版

2021年10月19日 (火)

DX推進で民間企業の役割拡大を=財務相との会談でIT大手トップら

 ベトナムのホー・ドク・フォック財務相は先ごろ、大手複合企業ソビコ(SOVICO)グループ、IT大手FPTグループ両社のトップと会談した。会談では両社が構築したホーチミン証券取引所の新システムや、金融業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)などについて意見交換。両社は、DXを柱とする経済発展を進める上での民間企業の役割拡大に期待を示した。ベトナム・ニュース紙(電子版)が伝えた。

 国家証券委員会によると、今年3月のファム・ミン・チン首相との会談で両社は、取引増大に伴う証取の「混雑」解消を民間企業に担わせるよう提案。その後、7月5日までに両社によって、1日あたり300〜500万件の取引能力を持つ新システムが稼働可能となり、1日の平均取引高は新システム導入前の第1四半期の15兆7000億ドン(6億9090万ドル)から、第3四半期には21兆ドン(9億2350万ドル)あまりに増え、コロナ下で投資家に安心感を与えた。

 FPTのチュオン・ザー・ビン会長は、株式市場は経済のバロメーターだと指摘し、証取の安定確保は、国際機関や海外投資家の間でのベトナムの評価を高めることにつながると評価。その上で、「民間企業には、経済成長の推進役を果たすもっと多くの機会が必要だ」と主張。「任せられれば、企業は立派に役割を果たせる」と訴えた。

 また、会談で両社は納税者向けサービス、税務登録に関する手続き簡素化、税関連詐欺防止などに対応する金融部門のDX推進で多くを提案。ソビコのグエン・ティ・フオン・タオ会長は、「第4次産業革命」とともにデジタル化、自動化の流れを主導することが、国の成長にとって重要な要因だと強調した。

 こうした両社の見解を受けフォック財務相は、新取引システム構築への両社の支援に謝意を伝えるとともに、両者に褒状を授与。また、両社の提言を受け、30年までのIT発展戦略を早期に策定する考えを示した。(時事)

店舗賃料の減免めぐり大家と対立=新型コロナ理由に一方的に要求―ベトナム携帯・家電販売大手

 【ハノイ時事】ベトナムの携帯電話・家電販売チェーン大手モバイル・ワールドが、店舗賃料の減免をめぐり複数の家主らと対立している。モバイル・ワールドは新型コロナウイルスの流行を理由に、数カ月分の賃料を減らすよう一方的に求めているが、家主側は不当だと訴え、法的措置を辞さない構えを見せている。オンラインメディアのVNエクスプレスが16日報じた。

 中部ビンディン省アンニョン町の店舗をモバイル・ワールドに貸し出す家主が9〜11月分の賃料として受け取った金額は、契約で合意した金額の32%にとどまる。モバイル・ワールドは、新型コロナの感染予防で7〜9月に実施された厳格な制限措置により、68%の店舗が操業停止を余儀なくされたためだと説明した。 このため、賃料の支払いが当初契約7500万ドン(約37万5000円)の32%に相当する2400万ドンにとどまったという。

 モバイル・ワールドの異例の決定を受け、家主側は弁護士を雇い、支払われるべき賃料を受け取るか、物件を取り戻して他の事業者に賃貸するかを強いられている。家主は、「こちらとしては当初、モバイル・ワールドに50%の賃料引き下げを提示するつもりだった。ところが、繰り返し失礼な姿勢で書簡を送ってきたため、値下げを提示しないことに決めた」と語った。

 モバイル・ワールドは6月以降、賃料の引き下げを求める文書を複数の家主に送付。店舗物件の賃料をめぐる対立となっている。 モバイル・ワールドは6月15日、新型コロナの影響を理由に来年6月までの12カ月間、賃料を50〜100%引き下げるよう求めた。大半の家主から同意を得られなかったモバイル・ワールドは同20日、年末までの賃料支払いを50%下げるよう要求した。

 その2週間後には、省・市当局による指示で強制的に休業になった期間の賃料を支払わないと通告。新型コロナ予防の制限下で営業した期間は、賃料支払いを30%に減額する方針を伝えた。今年1〜7月にこの方針を適用するとした。

 10月6日の書簡では、家主らに通知した方針への回答を25日までに行うよう要求。回答しない場合には、不可抗力の状態の下で一方的に要求を適用するとした。 こうした一方的な態度に多くの家主が反発している。

 ホーチミン市12区で店舗を貸し出す大家は、7〜8月の賃料を70〜100%引き下げるよう求められ、同意しなかった結果、過去3カ月の賃料を受け取っていないと述べた。この物件の賃貸契約期間は2016〜26年までの10年間で、賃料は月額8800万ドンとなっている。今月11日には、モバイル・ワールドによる合意事項の不履行を理由に、契約の解除を要求したが、決着には至っていない。

 モバイル・ワールドの報道担当者は、大家側と条件交渉の議論を進めていると説明している。同社の1〜8月の税引き後利益は、前年同期比12%増の3兆ドン超となっている。

生保は外資がシェア拡大=非生保は保険料収入伸び率が10年間で最低

 証券大手のBIDV証券(BSC)がまとめたベトナム保険市場動向によると、生命保険では外資系会社がここ5年間にシェアを拡大した。また、自動車保険、健康保険など非生保分野では、2021年の保険料収入の伸び率が過去10年間で最低となっている。ベトナム・インベストメント・レビュー紙(電子版)が伝えた。

 それによると2021年6月末時点で、生保市場シェアは国内大手のバオベト生保が20.8%で1位を維持したが、ここ5年間でシェアを6ポイント減らした。一方外資系では、他の国内保険会社からシェアを奪う形でマニュライフ(カナダ)が6.9%から19%へと大幅に拡大したほか、AIA(香港)は1.5%から10.8%に、第一生命(日本)は1.6%から12.1%へとそれぞれシェアを伸ばし、バオベトとこれら3社にプルデンシャル(米)を加えた5社で全体の78.7%を占める。

 BIDV証券は生保各社の2021年収益状況について、株式市場の活況を受け投資収入が増えたと指摘。低金利や金融緩和政策を背景に、通年では低水準、またはマイナスの収入の伸びを見込んでいる。ただ、今後の保険業法改正で保険会社への外資出資上限が撤廃されるとみられ、外資系の市場浸透が一層進むと予想している。

 一方、同証券によると、自動車保険、健康保険などの非生保分野では、大手6社が市場シェア約60%を占める。しかし、バオベトはこの分野でも、18年の20%から21年6月末時点で15%にシェアを落としている。

 また、ベトナム保険協会のデータによると、21年1−8月の非生保保険料収入は37兆2800億ドン(16億2000万ドル)となり、前年同期比で3.61%増えたものの、伸び率はここ約10年間で最も低い水準だった。 1−8月の保険料収入は前年同期の約50%程度にとどまり、同証券は、自動車保険は経済低迷で不振を抜け出せず、コロナ禍で加入者は解約したり更新をやめたりしていると分析。今後も、非生保分野は厳しい状況が続くと予想している。(時事)

原油相場持ち直しでも業績低迷―7〜9月期=新型コロナ響く―ベトナム石油・ガス業界

 【ハノイ時事】ベトナムの石油・ガス業界では、世界的な原油相場の回復にもかかわらず、多くの企業で7〜9月期業績が低迷した。新型コロナウイルスの流行第4波が響いた格好で、国有石油・ガス会社ペトロベトナム(PV)傘下のPVガスは税引き前利益が11.5%減の2兆2900億ドン(約114億5000万円)、税引き後利益が7%減の1兆8600億ドンにとどまった。国営ベトナム通信が18日報じた。

 PVガスの関係者は、ガス需要が1〜9月に落ち込んだと説明。発電用のガス需要が前年同期に比べ約28%落ち込んだことを明らかにした。国内での生産活動が低調だったことから、液化石油ガス(LPG)の国内需要は35〜40%減少した。 特に低圧ガス・圧縮天然ガスは新型コロナの流行前に比べ30%落ち込んだとしている。

 同社はまた、当面、ガス消費を抑制する取引先が引き続き増えるとし、ガス販売が40〜50%減少すると予想した。ただ、物流、労働力の問題で生産コストは上昇しているという。

 ビンソン製油・石油化学(BSR)の生産は、7〜9月期に大きな影響を受けた。ミラエアセット証券ベトナムは、10〜12月期からBSRの生産が持ち直すと見込んでいる。同社は10月にフル操業に回復したが、9月22日時点では操業率が85%となっていた。

 ペトロベトナム技術サービス(PVS)は、新型コロナの感染拡大防止を目指した厳格な行動制限の影響を受けた。制限措置で生産活動に制約がかかったことなどから、7〜9月期の税引き前利益が29%減少したとみられている。

国内企業がM&A戦略積極化=競争力強化に活用

 ベトナム・インベストメント・レビュー紙(電子版)は、同紙が15日主催したベトナムの企業の合併・買収(M&A)市場に関するオンラインセミナーの模様を伝えた。同紙は、今や外国企業だけではなく、国内企業も事業拡大などにM&Aを活用していると指摘し、セミナーでは食品大手マサン・グループなど大手企業のトップがM&A戦略に対する考えを披歴した。

 セミナーで国会経済委員会のファン・ドク・ヒエウ常任委員は、国内企業の多くが内外での競争力強化のためM&Aを積極的に行っているとし、これを「賢明なことだ」と評価。ベトナム企業がM&Aで買収側に立つ比率は、2018年の11.8%から、19〜20年には30%を超えたとする統計を示した。 会計事務所デロイトベトナムのファム・バン・ティン最高経営責任者(CEO)は、専門チームを雇ってM&A戦略を強化する国内企業もあると明かした。

 不動産開発大手ノバ・グループのグエン・タイ・フィエン副CEOは、M&A戦略を進めている企業の立場から、ビジネス機会の可能性を探るためM&Aを活用しているとする方針を説明。食品大手マサン・グループのダニー・レCEOは、生産・加工、流通・販売両部門の企業を対象にしたM&A戦略が経営構造の強化につながり、今後の成長を支えると強調した。

 ベトナム・インベストメント・レビュー紙のレ・チョン・ミン編集長は、コロナ禍のM&A活動は今後のベトナム経済の基盤となり、飛躍につながるバリューチェーンを構築する多くの企業グループが生まれることは確実だと締めくくった。(時事)

《ベトナムトップニュース》

《ベトナム経済・産業》

  • ビナケム、4子会社からの出資引き揚げを継続=ドクザンケミカルなど
  • 中部で蓄電池実証事業を支援=太陽光発電所に設置―米政府が296万ドル供与
  • 通年の貸出目標、98%達成=9月末実績、前年を1割超上回る―ベトナム外商銀
  • カータム油田、原油生産量100万トン突破=操業開始3年で―ベトナム・ロシア合弁会社
  • ベトナム石油研、EV指数を発表=企業の意思決定の参考に
  • EUからのベトナム投資、4.8億ドル増=FTA発効1年で
  • 21年通年では黒字確保も=1〜9月期の貿易報告―商工省
  • 農産物輸出、港湾混雑などで輸送に遅れ=新型コロナで労働力も半減
  • 地域でバラつきのあるコロナ対策、旅行業の回復妨げる=観光会社は共通ルールの必要性訴える
  • 感染低リスク地域からの乗客に陰性証明書求めず=民間航空局が提案
  • チュンナムの洋上風力発電、タービン全25基設置完了=チャビン省最大

《ベトナム一般》

  • 労働者11万人超が手当受給=失業保険基金を通じた政府のコロナ支援で―ホーチミン市
  • 国産ワクチン開発のための国家プログラム承認=ダム副首相
  • ハノイ市、コロナ検問所での人・車両の検査停止
  • ハノイの電動バス実証、11月開始=市運輸局提案、22年には9路線に拡充

《各地のベトナム関連ニュース》

  • 中韓越の冷延コイルへの反ダンピング税継続=マレーシア貿易産業省
  • ショッピー、求人1600人超=東南アジアで事業強化―シンガポール
  • 法治国家度ランキング、17位に後退=日本は15位―シンガポール

《ベトナム経済資料》

  • ベトナムのドン・金相場(10月18日)

《コラム・リポート》

  • 【ベトナム定点観測】第343回「ファム・ミン・チン政権の半年」(中) 坪井善明(早稲田大学名誉教授)
  • 【早読み!週刊誌】ノーベル賞受賞者、日本嫌いの理由(10月11〜17日)

《ミャンマー・カンボジア・ラオス》

  • 合意不履行、民主派が原因=首脳会議排除に反発―ミャンマー軍トップ
  • 国家統治評議会、女性兵士にフェイクニュース投稿を強要=ミャンマー
  • 米国大使館、南部3郡の自国民に退避勧告=ミャンマー
  • 「ペーパーゴールド」制度実施へ=ミャンマー金業協会
  • 独ケンピンスキー、首都ネピドーのホテル休業=ミャンマー
  • 新型コロナの新規感染者、1002人まで減少=陽性率7.3%に―ミャンマー

《タイ》

  • ジェトロ、日本産食品の第2回オンライン商談会開催=過去最多の171社参加
  • シチズン時計、タイの工作機械工場で生産強化
  • 中国とインドの投資誘致に注力を=コロナ禍で隣国に遅れとる―タイTCC

《中国・香港・台湾》

  • ソニーに罰金=盧溝橋事件の日に新商品―中国・北京市
  • TPP加入、日本の支援に期待=「中国が妨害」と批判―台湾交渉トップ

《シンガポール》

  • 9月の輸出12.3%増=市場予想上回る

《自動車・二輪》

  • 三菱自、新CEOに池田氏=マレーシア
  • トヨタ、米で3800億円投資=EV用電池生産、30年までに
  • 上汽GM、電池工場が稼働=高級SUVに搭載―上海市

《Japan/WorldToday》

  • 経済安保に配慮できず=LINEの情報管理で最終報告

《人事・訃報》

  • 森山真弓氏死去、93歳=女性初の官房長官
  • コリン・パウエル氏死去=黒人初の米国務長官―コロナ合併症

《マーケット情報》

  • アジア主要市場の株価指数(18日、カッコ内は前営業日比)
  • 三菱UFJ銀行直物為替公表建値 10/18
  • 上海メタル(18日)

《予定》

  • きょう(19日)の発表行事予定

《新聞各紙から》

  • 東京各紙朝刊(19日)

《お知らせ》

  • 訂正