ベトナム版

2022年9月26日 (月)

銀行界、不良債権処理も課題=金利、為替相場に加え―専門家ら警鐘

 【ハノイ時事】ベトナムの金融専門家らは、国内の銀行界の年末に向けての事業活動について、金利、為替相場の問題に加え、不良債権処理も課題になると警鐘を鳴らしている、ベトナム国家銀行(中央銀行、SBV)はインフレの抑制などを図るため、政策金利を引き上げ、金融引き締めに舵を切ったが、銀行各行には貸出金利を低い水準に維持するよう促している。銀行各行は、資金利ざやの圧縮など収益環境が厳しくなる中で、不良債権処理に取り組むことを迫られている。

 ◇不良債権額、決して低水準でない

 23日付のベトナム・ニュース紙によると、世界銀行はベトナムの銀行部門の不良債権について、新型コロナウイルスの流行で影響を受けた企業支援の一環で返済が繰り延べられた貸出金が焦げ付くリスクを考慮すると、決して低い水準にあるわけではないと指摘した。 今後の動向を継続的に注視する必要があるとしている。

 ベトナム中銀は2021年、通達14号(No.14/2021/TTNHNN)を公布した。通達は銀行各行に対し、新型コロナで影響を受けた取引先を支援するため、22年6月末まで融資の返済繰り延べに応じるよう求めた。他方で、新型コロナに絡んだ借り手の債務者区分を維持することを容認した。

 商業銀行の貸借対照表(バランスシート)において、不良債権の割合は20年末以降、上昇し続けてきた。22年6月末までに、株式上場する28行の不良債権額は合計で約122兆ドン(約7442億円)となり、3月末に比べ約11%、年初時点に比べ約20%それぞれ増えた。

 ◇通達14号終了で、今後増加の恐れ

 専門家らは、6月末で通達14号の適用期限が終了し、不良債権が増え続ける恐れがあると警戒している。取引先が予定通りに返済しなければ、多くの貸出金は債務者区分が引き下げられ、不良債権の増加につながる見通し。

 こうした中、グエン・ティ・ホン中銀総裁は最近、公文書5962号を公布した。不良債権買い取り機関であるベトナム資産管理会社(VAMC)と国内外の銀行に対して、決議42号(No.42/2017/QH14)に基づき、不良債権処理を引き続き進めるよう求めた。決議42号には、不良債権と担保の処理を加速する方針などが盛り込まれている。 あらゆるレベルの警察、税務当局、司法関係機関と積極的に連携し、不良債権処理に関する政策を効果的に実施するよう促している。

 銀行各行は、担保資産の処理と債権の回収に大きな関心を払ってきた。サイゴン商信商業銀行(サコムバンク)は最近、担保物件である19件の集合住宅の競売を継続すると発表した。ベトナム投資開発銀行(BIDV)も工業団地の土地などで競売を計画している。

 ◇不良債権処理法求める声

 ただ、担保となった不動産物件は、売却に当たってさまざまな課題に直面している。サコムバンクは20年7月に19件の集合住宅の競売に着手し、2年が経過したが、売却手続きは進まず、大幅な値下げを余儀なくされた。

 BIDVのカン・バン・ルック主任エコノミストは、不良債権処理の改善に向けて決議42号を手直しするよう提案した。「現在、不良債権処理を進める際の大きな問題の一つは担保の取り扱いだ」と指摘。「決議42号の主要な内容の一つが、金融機関による担保資産の差し押さえ権だが、借り手が協力しない場合のルールが特定されていない。強力な法的枠組みを備えた不良債権処理の法律を整備する必要がある」と訴えた。ANVI法律事務所のチュオン・タイン・ドク弁護士も、銀行界における不良債権処理の取り組みを改善させるために決議42号を改編しなければならないと主張している。

ガソリン減税で2案=国会決議に向けて検討―財務省

 【ハノイ時事】ベトナム財務省がガソリンなどの燃料に対する特別消費税と付加価値税の引き下げで、二つの案を検討している。第1案では、ガソリンに課す特別消費税を50%引き下げる一方、ガソリン、軽油を含めた燃料への付加価値税を20%下げるとした。第2案はともに50%引き下げるとしている。オンラインメディアのVNエクスプレスが23日報じた。

 財務省は、減税措置に盛り込んだ決議案の取りまとめ作業を進めており、国会への提出に向けて関係省庁などからの意見募集を進める。減税の実施期間は、いずれの案でも国会決議が発効してから6カ月間としている。

 第1案の減税措置が11月初めに実施された場合、2022年の平均消費者物価指数(CPI)を約0.1ポイント押し下げると試算した。 原油価格が1バレル=100ドル(約1万4600円)で推移し、22年、23年のガソリンなどの燃料消費量が新型コロナウイルスの流行前と同水準になった場合、1カ月当たり1兆4700億ドン(約89億6700万円)の税収減になるとした。

 第2案の措置が同様に実施された場合には、22年の平均CPIを0.15ポイント押し下げ、1カ月の税収は2兆2620億ドン落ち込むと試算した。

 財務省はガソリンなどの国際相場について、先行きを予測するのが難しい状況が続いていると指摘。多くの国がインフレの加速に直面し、世界的な景気後退を懸念する見方も出ているとした。石油価格を安定させるためには、タイミング良く減税措置を講じることが必要だとした。生産コストを押し下げ、景気を下支えつつ、インフレを抑制することに貢献すると訴えた。

飲食業界、電子決済サービスと提携=顧客利便の向上図る

 ベトナムの飲食業界が電子決済サービス企業との提携を進めている。支払い時に要する時間を短縮し顧客の利便性向上を図るのが狙いで、電子決済を全国の店舗に展開する構えだ。ベトナム・インベストメント・レビュー紙(電子版)が伝えた。

 米コーヒーチェーン大手スターバックスのベトナム法人と、電子決済大手モモは先ごろ提携合意を発表した。提携により、スターバックス顧客は現金、銀行カード、スターバックスカードに加え、支払いの選択肢が増えるという。2018年にベトナム市場に参入したスターバックスは、非現金での支払いなどテクノロジーを導入した顧客サービス拡充を目指しており、電子財布の利用顧客3000万人を有するモモとの提携に踏み切った。

 スターバックス以外にもハイランズ・コーヒー、ジョリビー、ゴンチャ、海底撈火鍋といった飲食店の店舗では既に国内カード、国際カードに加えQRコード、電子財布、非接触型決済などで支払うことができる。電子決済大手のVNペイはファストフードのロッテリア、コーヒーチェーンのグタなどと提携。ペイウーはマスターカード、VP銀行といった金融機関に加え、ジョリビー、ファミリーマート、ハイランズ・コーヒーなどの小売業界とも提携している。(時事)

ビングループのバッテリー工場計画承認=投資額6.3兆ドン超―中部ハティン省

 【ハノイ時事】ベトナム中部ハティン省当局は21日、複合企業ビングループによるブンアン経済区でのリチウムイオンのバッテリー工場の投資計画を承認した。省の公式メディアによると、経済区管理委員会のレ・チュン・フオック委員長が同日、ビングループ傘下のビンESエナジー・ソリューション(ビンES)によるバッテリー工場計画を認可する決定文書に署名した。

 バッテリー工場のプロジェクトは、14ヘクタールを超える用地で展開される見通し。総投資額は6兆3290億ドン(約386億円)超。全体の38%に相当する約2兆4050億ドンをビングループが投資し、残る約3兆9240億ドンは外部から調達する。

 生産規模は、コスト面などに優れたリン酸鉄リチウムイオン(LFP)電池で約3億セットに相当する年5ギガワット時(GWh)とする。 LFP電池は主に電気自動車(EV)向けなどで使われる。

 2023年10〜12月期に工場の建物を完成させた上で、24年1〜3月期までに関連設備を含めた生産ラインを整備し、操業を開始する。同7〜9月までに大量生産に入ることを目指している。

 オンラインメディアのVNエクスプレスによると、ビングループは21年12月、ブンアン経済区におけるバッテリー工場プロジェクトの第1期に着手した。4兆ドン超を投資し、既に工場棟の建設工事を終え、関連施設などの設置を開始した。

 ハティン省当局はブンアン経済区について、今後数年間で、金属、エネルギー、物流、港湾サービスを含めた複数の業種が事業展開する多機能な経済拠点に発展させることを計画している。

チョン書記長、ホーチミン市訪問=18年以来

 【ハノイ時事】ベトナム共産党のグエン・フー・チョン書記長が23日、ホーチミン市を訪問した。書記長は2019年に体調を崩して以来、ハノイを出る機会は多くない。オンラインメディアのVNエクスプレスによると、書記長がホーチミン市を訪問するのはテト攻勢50周年の記念式典が開かれた18年以来となった。

 チョン書記長のホーチミン市訪問には、ボー・バン・トゥオン書記局常務、チュオン・ティ・マイ中央組織委員長、トー・ラム公安相、ファン・バン・ザン国防相、グエン・チョン・ギア中央宣伝教育委員長、レ・ミン・フン中央事務局長らが同行した。

 書記長はホーチミン市の指導者らとの会合で、これまでの取り組みを評価しつつ、改革努力をさらに加速し、南東部地域、ベトナム全体の発展における最大のけん引役としての役割を果たすよう促した。 公共交通部門を含めた都市インフラのプロジェクト推進や地球温暖化問題の解決などに向けた取り組みも求めた。

《ベトナムトップニュース》

《ベトナム経済・産業》

  • 副総裁、銀行に貸出金利維持促す=総裁はあらゆる動き注視―中銀
  • 石油の輸入増で需要に対応=国内製油能力拡充を求める声も
  • アップルのエアポッズ、65%がベトナムで生産=25年までに―米金融大手予想
  • 企業は帰国労働者の採用増を=官民連携が必要
  • ホーチミン市で日本食品展示会=日越企業のオンライン商談会も調整―ジェトロ
  • ベトナムの輸出、今年残り数カ月は鈍化と予想=不安定な世界情勢踏まえ―専門家
  • 農業省、グリーン成長推進へ行動計画承認=持続可能、低炭素目指す
  • 大手企業、ベトナム養豚事業に多額の資金投入=豚肉消費増で―フィッチ調査
  • スタートアップの生態系確立に政府支援欠かせず=ADBリポート
  • チュンナム、3年で5億ドルの社債発行を計画=発電所建設目指す
  • 1〜8月のコメ輸出量、前年比20.7%増=通年目標達成見通し
  • 自由経済が成功への道=ユーロチャム開催の会議で専門家
  • 林業の「土地使用権証明」提示義務は見直しを=関係者ら
  • ビントゥック島、ビンチュン島での再生エネ開発計画=クアンニン省モンカイ市

《ベトナム一般》

  • ハノイの幼稚園に絵本4千冊寄贈=ベトナムで日本式幼児教育―静岡の学校法人
  • 閉鎖の線路脇カフェ通り、住民ら再開を嘆願=生活困窮と訴え―ハノイ
  • ホーチミン市、医薬品308種類の入札求める=病院の薬不足に対応

《各地のベトナム関連ニュース》

  • 浅川ADB総裁:米利上げ急ピッチ、状況次第で「金融協力加速」
  • 南シナ海、航行の自由支持=米比首脳が初会談
  • 関係修復に意欲=南シナ海協議、NYで初会談―米比首脳
  • ベトナム農業相、米価引き上げでタイとの協力否定=「一般的な協力活動のみ」
  • ベトナムのコーヒーチェーン「チュングエン」、中国・上海に海外1号店
  • タイの外国人へのコンドミニアム所有権移転、全体の9%=過去4年半で約4.7万戸

《ベトナム経済資料》

  • ベトナムのドン・金相場(9月23日)

《コラム・リポート》

  • 【食彩ASIA】タイ伝統のあめ細工
  • 【アジア進出インタビュー】〔タイ〕「10年後、牛カツを日本食の代表に」ゴリップ・洪大記副社長

《ミャンマー・カンボジア・ラオス》

  • ASEAN、来月特別外相会議=ミャンマー情勢協議
  • 元ミス・ミャンマーのタイ入国拒否=強制送還なら拘束の恐れ
  • タイKWM、第3生産ラインの新設推進=第4四半期に稼働
  • 小型船沈没、中国人23人不明=カンボジア
  • 中国・武漢−ラオスの貨物列車、10本目が出発

《タイ》

  • タイ航空、10月30日から成田線1日2往復=札幌線は12月1日から再開
  • 非常事態宣言、2年半ぶり解除=コロナ感染者の入国禁止措置も廃止

《中国・香港・台湾》

  • 中国、「強軍」へまい進=国防費90倍に―透明性欠き戦力増強

《シンガポール》

  • 8月消費者物価、7.5%上昇に加速=14年ぶり高水準

《マレーシア》

  • 8月のCPI、前年比4.7%上昇=食品が7.2%の伸び―統計局

《韓国・北朝鮮》

  • ソウルで日韓交流おまつり=3年ぶりに観客、「また旅行したい」

《その他アジア》

  • 台湾鴻海と合弁会社を設立=インディカ、EV参入の準備着々―インドネシア
  • 日本、スリランカの債務再編協議を支援へ=水越大使

《自動車・二輪》

  • トヨタ、ロシア生産撤退=ウクライナ侵攻で供給網混乱
  • マツダ、ロシアでの生産終了へ=合弁先企業と協議
  • 米GM、オハイオ工場をEV向けに=7億6000万ドル投資へ
  • 寧徳時代、EV電池交換サービスの世界展開検討=まず欧州から―福建省

《Japan/WorldToday》

  • 弔問外交、きょうスタート=30カ国超、初日は米副大統領ら―岸田首相
  • 英新政権に市場の洗礼=大幅減税案で「トリプル安」

《マーケット情報》

  • アジア主要市場の株価指数(23日、カッコ内は前営業日比)

《予定》

  • きょう(26日)の発表行事予定

《新聞各紙から》

  • 東京各紙朝刊(26日)